分分夜話 第2話
無動 来西
人権を見捨てる時代から反転できるか
(1)拉致の大罪
昭和52年11月15日、北朝鮮に拉致された13歳の横田めぐみさんが、令和元年10月5日に55歳となったことを新聞・ラジオなど多くのマスメディアが伝えました。40年以上もの長い時間がかかっているのに、なぜ解決しないのか、という怒りといらだちが拉致被害者の家族たちだけのものにしてはならないと思います。
50年間にわたって北朝鮮が拉致した日本人は900人近くいることを警察庁では把握されています。拉致は暴行や脅迫によって連れ去ることで法律では略取と言います。略取誘拐罪の誘拐は誘うということばが入っているように、被害者を騙して連れ去ることです。この誘拐事件が発生するとマスメディアはこぞって日夜報道し、それが解決しないとやがて熱が冷めるように忘れられた事件となって行きます。
北朝鮮による拉致の大罪は国内犯罪のレベルではなく、日本人の人権を奪い、踏みにじる侵略行為に他ならない大罪です。
なぜ解決の糸口すら見えてこないのか。おそらくマスメディアにその責任はあるでしょう。誘拐事件を毎日、日夜報道するようにテレビ局は毎日、毎時1、2分のスポットでもよいから未解決拉致問題を報道する責務があり、特に公共性を主張する放送局は反日の姿勢を選ぶのではなく、被害者救出の国民の願いにこたえるべきではないでしょうか。北朝鮮の大罪とその大罪を報道しつづけないテレビ局の罪とは同罪です。新聞社はテレビ局に次いでその罪は重いと思われます。
日本が国家としての道義を未来に示し得るためには、公共性を誇るテレビ局や新聞社は罪なき同胞を救いたいと日々願い、日々実名報道に踏みきるべきではないでしょうか。膨大な日々の情報量の中で、拉致問題が忘れられて行くことは、国家の道義性を失って行くことと同じです。
改元やオリンピックの大波にさらはれてゆく、拉致被害者は
歌集『走錨の令和』(梅田出版)より
改元にともなう多くの奉祝行事に加え、今年のラグビーの世界大会や来年のオリンピックの華華しい報道が過熱すればするほど拉致被害者は忘れられ、多くの未帰還の人々は現代から見捨てられて行きます。
拉致されて帰国を願いつづけている同胞を救出するために直ちにマスメディアがなすべきことは、国内国外を問わず北朝鮮の非道を訴えて止まない報道に日夜尽力することに他なりません。
(令和元年11月16日記)
funpun・yawa
mudou raisei
vol.2
